事業を開始する際は、多くの場合開業資金が必要です。
自己資金で足りれば問題はありませんが、足りない場合がほとんどではないでしょうか。
今回は、開業資金が自己資金では足りないときの資金調達方法について、主だったものを解説します。
目次
1 開業資金とは
2 資金調達方法
2-1 自己資金
2-2 日本政策金融公庫からの創業融資
2-3 制度融資
2-4 民間金融機関からの創業融資
2-5 ベンチャーキャピタルからの出資
2-6 エンジェル投資家からの出資
2-7 クラウドファンディング
3 最後に
1 開業資金とは
開業資金とは、開業に必要な設備資金と軌道に乗るまで必要な運転資金の合計額です。
開業に必要な設備資金とは、事務所・店舗を借りる場合の保証金や内装工事、応接セット等の備品購入費用、PC、プリンターなどの事務機器費用や事業用車両の購入費用などが一例として挙げられます。
現在ではホームページ作成委託費用、eコマースの構築費用も含められるでしょう。
軌道に乗るまでに必要な運転資金とは、売上で賄うことができない間の事務所・店舗の支払家賃、仕入資金や人件費外注費などが挙げられます。
2 資金調達方法
その開業資金を何らかの方法で調達しない限り開業はできないわけですが、代表的な調達方法をわかりやすく解説します。
2-1 自己資金
最も一般的な資金調達方法です。
勤務者の時から積み立てた預金が代表例でしょう。
借入でないため返済する必要もないことから、一番リスクが低いと言えます。
また自己資金が多ければ借入額も小さく済むので、当然返済負担が少なくて済み事業開始後の資金繰りが楽になります。
そう言った点からも自己資金の大小は、創業計画の根幹をなすポイントです。
親や兄弟から一時的に借りた資金は、基本的には自己資金とみなしません
贈与契約書が作成され、必要であれば贈与税の申告までされていれば自己資金とみなすこともあります。
2-2 日本政策金融公庫からの創業融資
政府系金融機関である日本政策金融公庫から「創業融資」を受ける方法です。
公庫は営利を追求する民間金融機関では融資が難しい「創業融資」を、政策に従い長年行ってきています。創業融資と言えば公庫と言われているほどです。
融資申込から融資実行までは概ね3週間~1ヶ月程度です。
2-3 制度融資
制度融資とは各自治体が窓口となって「民間金融機関」が「信用保証協会」の保証によりおこなう融資のことをいいます。
地方自治体が窓口となって申し込みを受け、取扱金融機関に取り次ぎます。
取扱金融機関は金融機関として審査を行い、問題なければ保証協会に保証を依頼します。
次に保証協会が審査をおこない問題なければ保証を引き受け、融資が実行されます。
当事者が「民間金融機関」と「信用保証協会」両方となるため、融資申込から融資実行までには1ヶ月~2か月かかることが普通です。
2-4 民間金融機関からの創業融資(プロパー融資)
地方銀行、信用金庫などの民間金融機関からの信用保証協会の保証を受けないでおこなう創業融資です。
現実にはほとんど利用されていません。民間金融機関からのプロパー融資は、ある程度軌道に乗った後でしか受けることは難しいでしょう。
2-5 ベンチャーキャピタル(VC)からの出資
上場時の株式売却益を狙うVCからの出資を受ける方法です。
「融資」でなく「出資」というところが最大の特徴です。融資でない以上返済する義務も基本ありませんが、出資を受けるということは株式を交付することになり(細かい制度はここでは省略します)、経営権も一部渡すことになります。
互いの目的が一致している間はいいですが、利益が相反した場合経営の足かせになりやすい資金調達方法です。
2-6 エンジェル投資家からの出資
個人の投資家からの出資を受ける資金調達方法です。
最近はこのパターンも増えていますが、一個人の意向に経営が左右されやすい側面が大きいと言えます。
2-7 クラウドファンディング
急速に広まった資金調達方法で、ある目的の事業(もしくはその事業の一部)に対し広く一般から支援を募る方法です。
何らかのサービスや物品と引き換えに資金を集める購入型、寄付を募る寄付型がメジャーです。
SNSを利用して事業の意義や社会問題の解決との目的を示すことで支援を集めやすい点はありますが、個人の支援が中心となるためあまり大きな資金(1千万円オーバー)の獲得は難しいでしょう。
3 まとめ
当事務所は日本政策金融公庫22年勤務の代表が、真の創業融資・事業融資の支援・サポートを行います。
審査基準を知り尽くしているが故の的確なサポートであなたの創業融資・事業融資を受けるサポートを行います。
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